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もうひとつの大震災の不安 アスベストのことを忘れては駄目!

アスベスト

解体

能登で地震が起こり、様々な悲劇が報道されていますが、アスベストもそのひとつです。

 

しかし、もっと大きな人的被害の悲劇に、アスベストの報道が隠れてしまっていることがあるため、あらためてアスベストの危険性をこの機会に確認する必要があります。

 

アスベストに注意!

 

アスベストは、ばく露した後15~40年程度経過した後、肺がんや中皮腫などの重病を発症する危険があることから、今でもとても不安視されています。

 

いま、私達にできることは、アスベストにばく露しないよう注意することなのです。

 

一般的な家屋にもアスベスト(石綿)を含んだ建材が使用されているリスクが充分あります。ですから、住民の方々であったり、災害ボランティアの方々が家屋などの片付けを行う場合には、安易に向き合えばアスベストにばく露してしまうことが懸念されます。

 

防じんマスクを着用すること

 

そして、ばく露を防止するためには、防じんマスクを着用することを心掛ける必要があります。

 

また、成形板(スレート等の建材)を片付け、処分するような場合、散水等により湿潤化させ、ハンマーでの破砕やカッターで切断するなど、粉じんを発生させてしまう作業を行わないことが大事です。

 

みなさんは、むやみに倒壊・損壊建物や解体現場に近づくべきではありません。

 

防じんマスクについても、ただつければいいというのではなく、粒子除去効率が95%以上の国等規格に適合した防じんマスクを使用する必要があります。

 

能登地震のアスベスト調査の結果はどうだったのか……

能登半島地震でも、アスベストの問題が不安視されているため、実際にアスベスト大気濃度の調査が行われています。

 

ただし、調査を実施したすべてエリアで、アスベスト大気濃度は通常の一般大気環境とほぼ変わらなかったということです。

 

ほっとひと安心といったところでしょうか。

 

しかし、安心はまで早いです!

 

環境省では、能登半島地震の被災地におけるアスベスト大気濃度調査は今後も続けて実施する必要があるということです。

 

環境省でもこのように、アスベストは大きな不安要素であることを理解して行動しています。

 

少なくとも、現在までは大きな被害になっていないことは幸いですが。

 

12棟においてアスベストの露出が確認

 

ただし、石川県では、保有しているアスベスト台帳などを踏まえて、6市町64棟の被災建物を対象としてアスベスト露出状況調査を行った結果、12棟においてアスベストの露出が確認されています。

 

そして、建物の所有者に対して、アスベストの飛散防止措置などについての指導や助言を行っている現状です。

 

ちょっと過去を振り返る 阪神・淡路大震災では

 

時が経過し、阪神・淡路大震災の痛々しい記憶が遠ざかろうとしている中で、一方、石綿関連疾患の発症が相次いでいることも心配しなければならない材料です。

 

震災時行った解体作業で石綿を吸って、中皮腫になったことを訴えた兵庫県在住の30代の男性に対しては、姫路労働基準監督署が労災認定しています。

 

2009年5月、また、ある建設会社の営業マンは、震災がおこった後の95年10~11月、人手が足りず、解体作業で現場監督を務めました。

 

重機の大きなハサミが家屋をつかめば、左右10メートルほど粉じんが広がったということです。

 

労災を申請すれば、労働基準監督署は建設会社に勤務していた77~98年のおおよそ22年の間に石綿に触れたと判断されたのです。

 

ただし、彼は「営業をしている時代、現場に出ることはほとんどなありませんでした。アスベストを吸い込んだのは、震災時の現場監督の時しか思い当たりません」と主張を続けました。

 

そして……、その男性はすでに死亡しています。

 

また、ある男性の場合、震災時、マンションの改修工事にも立ち会ったということです。

 

マンションの室内では職人が壁や天井をはがしたり、電動のこぎりで建材を加工したりしたため、相当量の粉塵が部屋にたちこめました。

奥様は、夫のかぶっていた野球帽にほこりがたくさんついていたことを思い出したということです。

 

その業務はわずか2カ月だったのですが、この間にアスベストを吸い込み、16年後に中皮腫を発症、死去しています。

 

奥様は、「がれきの中のアスベストのことなんて考えもしなかった。夫はさぞ悔しかったと思う。同じ哀しみを今後の震災で決して繰り返さないでほしい」と語っています。

 

まだまだみなさんが心配しなければならないのは、石綿被害は、潜伏期間が十数年~40年とされることです。

 

不安材料は依然残ったままです。

 

今後もっと不安な時代がやってくる?

 

「震災によるアスベスト疾患はいずれ爆発的に発生する」と、専門家がかねて懸念しています。これから、もっともっと不安な時代がやってくるのかもしれません。

 

大震災でどれだけのアスベストが飛散したのか、完全な把握は難しい問題でもあるのです。

 

とはいうものの、私達にできることはまだあると考えるべきです。

 

まず、アスベストを含んでいた建物の倒壊した地区を中心として、当時の住民であったり、解体や撤去にかかわった労働者を登録し、健康診断を続ける必要があります。

 

土木工事に他府県から多くの労働者がやってきていますが、ボランティアたちに対しての対応も同じです。

 

アスベストに暴露したというリスクを本人に周知させることも必要です。

 

もう一つ大事なのは、私たちの住む街にいったいどの程度のアスベストが蓄積しているのか知ることです。

 

たとえば、神戸市では固定資産税台帳によって建物の建築年次をリリサーチし、アスベストの飛散可能性のあるものをチェックしていいます。公表されている訳ではありませんが、地図に落とし込んでいるので、アスベストマップとしても有効的に活用することができます。

 

まとめ

 

まずは、みなさんがアスベストのことをよく知り、アスベストの悲劇はまだ終わっていないことを理解することからはじめるといいでしょう。

 

時間が経過することで、人の記憶からアスベストのことも薄れてしまうことがとても心配です。

 

悲劇は、これから起ころうとしているのですから。

 

解体アスベスト相談窓口は、アスベストや解体工事におけるいろいろな問題を気軽に相談することができる問い合わせフォームです。

 

解体アスベスト相談窓口に相談し、アスベストの対策と真剣に向き合っていきましょう!

 

ぜひ一度気軽にご訪問下さい。

 

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