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【災害対策】 空き家のアスベスト飛散の応急措置の必要性

アスベスト

アスベスト(石綿)は、ごく細かい繊維で、熱や摩擦などにも強く、丈夫で変化しにくいという特徴をもち、過去、建材製品などに広く使用されてきました。

 

しかし、アスベストを吸引することで、10数年~50年ほどの潜伏期間を経、中皮腫や、肺がんなどと言った深刻な健康被害を引き起こす危険が指摘されています。

 

空き家と、アスベストは決して無関係ではありません。建築年数の古い建物には、アスベストを含んだ建材が使用されていることがあり、建物が地震や老朽化によって倒壊・損壊したときには、破損個所からアスベストが飛散する危険があります。

 

【注意】アスベストが飛散する危険性

 

 

 

空き家のアスベストを放置することによって、やがて、アスベストが飛散し、あたりの環境に深刻な影響を及ぼすことがあります。

 

アスベストは繊維状の物質であるので、空気中に浮遊し、極めて広い範囲に飛散してしまうことがあります。

 

空き家の場合、長い期間にわたり、所有者の方々が手入れをしていないケースも多く、建物が劣化したり、老朽化によって、アスベストを含んだ素材が破損したり剥がれたりすることがあります。

 

結果、アスベストが露出し、風や雨などで容易に飛散し、人たちの健康に悪影響を及ぼしてしまうのです。

 

 

阪神・淡路大震災によるアスベスト飛散の現状を見る

 

かつて、阪神・淡路大震災で倒壊した建物からもアスベスト(石綿)が飛散しています。

 

阪神・淡路の発生からかなり時が経過した今、その脅威を何度も問いたいのです。

 

ある男性は阪神・淡路大震災の後、解体作業や改築作業に従事したことで、アスベストの暴露を受けたということです。中皮腫の原因として、解体作業時のアスベスト混入を強く考えることができます。

 

また、この男性だけの問題ではなく、今後、神戸エリアを中心として、悪性中皮腫の被害者が多発すると予測することができます。

 

堺市も被害を受け、大阪湾沿岸地域の多くの民家の屋根瓦がずれてしまいました……。このとき修繕に関わった男性が肺がんを発症しています。そして、この男性の肺から、アスベストを吸い込んだことを示す石綿小体が明確にあらわれていました。

 

この男性の場合、石綿繊維を含む「カラーベスト」という屋根材を剝がしてふき替える作業を何か月も続け、ここでアスベストを吸い込み、肺がんを誘発した可能性があります。

 

そのとき男性は、マスクは着用していませんでした。

 

男性は「危険性など知らなかった」と話しています。

 

アスベストは、発症するまでの潜伏期間は10数年から50年程度とされ、沈黙の時限爆弾とも呼ばれているほどです。

 

大地震が誘引した石綿の被害は長い潜伏期間を経過し、これから顕在化することでしょう。

 

ガレキや、粉じんに潜む微細な石綿繊維がアスベストです。

 

東日本大震災であったり、熊本地震、能登半島地震……。地震の被害は、阪神・淡路大震災だけではありません。

 

現在、私たちが目撃しているのは、被害のごくごく一部であると言っていいでしょう。

 

 

南海トラフ巨大地震が近々起こる予測と対策

 

近い将来、南海トラフ巨大地震などが起き、アスベストを使用した建物の倒壊で大量に飛散する恐れがあります。

 

そこで、来る未来を予測し、真剣にアスベストの除去を進めることが必要であり、また、行政や市民による防じんマスクの備蓄や、被災地での着用励行などが対策として求められています。

 

住民であったり、ボランティア、復興作業員の方々は、被災建築物などにむやみに近づかないようにすることも大事です。

 

特に、アスベストを含んだ吹付け材や保温材……は、飛散性が高いので注意が必要です。

 

アスベストを含む成形板(スレート材、せっこうボード等の建材)あたりについては、戸建住宅にも使用されている場合があります。アスベストを含むスレート材などは、通常の状態での飛散のリスクはそれほどないのですが、建材の破損などによって、アスベストが飛散する危険があります。

 

東京都の場合は、災害時にこのような建材が発見されれば、建物のある区市の環境主管課まで連絡するよう注意喚起しています。

 

ただし、大規模な大地震が起きたとき、ことは果たしてスムーズに進行するでしょうか。

 

アスベストの危険で、復興作業に支障をきたすことも充分に考えることができます。

 

 

建築物の所有者・管理者のアスベストの応急措置

 

建築物の損壊箇所からアスベスト飛散のリスクがある場合、その建築物の所有者、また、管理者は、アスベストの飛散・ばく露防止の応急措置を行う必要があります。

 

建築物の周辺を立入禁止にし、速やかにばく露防止措置を行う必要があり、また、建築物の養生であったり、散水、薬液散布によって飛散防止措置を行います。

 

また、ビニールシートなどによって飛散の防止を行ってください。

 

さらに、水・薬液などの散布を行って、湿潤化・固形化の措置を行うことも大事です。 ただし、湿潤化・固形化によって破損した吹付け材が落下・飛散する危険もあるため、行うときには専門家に依頼するようにしたいです。

 

散水・養生などを行えないときには、アスベストへのばく露を阻止するため、対象空き家の周囲をロープで区切り、立入禁止とする必要があります。

 

 

まとめ

 

南海トラフ地震臨時情報が発表されたことも記憶に新しいことです。

 

 

大地震は、必ず近い将来、どこかに来るものと考えるべきでしょう。

 

 

避難場所の確認、食料の備蓄だけでなく、アスベストによる被害も、私達は、いま、考えていかなければならない問題です。

 

解体アスベスト相談窓口は、大地震で起こりうる、様々な空き家被害や対策を気軽に相談することができる問い合わせフォームです。

 

解体アスベスト相談窓口に相談することで、大地震に備え、万全なアスベスト対策を行ってください。

 

ぜひ一度気軽にご訪問ください。

 

 

 

 

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