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アスベスト被害の問題はまだ続いている! 今後起こりうること
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ひょっとしたら、最近それ程アスベストの問題が騒がれていないのでは……と思っている方々もいるかもしれません。
果たして、アスベストの問題は終焉を迎えたのでしょうか。
いいえ。決して、そうではありません!
新年早々、能登半島地震が起きていますが、そのような震災が起きたとき、未だに懸念しなければならない大きな問題が「アスベスト」なのです。
目次
一般家屋にはアスベストを含む建材が使用されている可能性がある?
能登半島地震が起こり、多数の家屋が倒壊し、やむなく順次片付け作業が進行している現状なのですが、その倒壊した家屋にアスベスト(石綿)を含んだ建材が使用されている可能性が充分あります。住民の方々であったり、ボランティアの方々などが家屋の片付けをするときにアスベストにばく露することがとても不安な事態でもあります。
すぐに被害の拡大が判明すれば、慎重に向き合おうという気持ちに変わる人たちも多いのでしょうけど、(そのことによって作業は停滞してしまうことにもなるのですが……)アスベストが厄介なのは、ばく露した後15~40年あたり経過した後に「肺がん」であったり、「中皮腫」などを発症するリスクを抱えていることです。
すぐにわからないから、問題が即時、深刻化されないのかもしれません。ただし、実際問題、アスベスト使用建材が使われている家屋はまだまだたくさんあり、現状は放置されたままです。
外壁では、
- 窯業系サイディング
- 建材複合金属系サイディング
- モルタル
- 仕上塗材
などにアスベストが含まれている可能性があります。
屋根の場合、
- 化粧スレート瓦
- ルーフィング
軒天の場合には、けい酸カルシウム板第1種、内装には、ケイ酸カルシウム板第1種であったり、石膏ボード、壁紙、床タイル、シートなどのようなものに対してアスベストが使われている可能性があります。
アスベストが飛散してしまう危険性は低い?
2007年以降に建った家屋であれば、まずは心配する必要はないのですが、2006年以前に建築された家屋には、アスベスト含有建材が使用されている可能性は充分に考えることができます。
しかし、劣化したり、解体しない限りは、アスベストが飛散してしまう危険性は低いと考えらているため、住んでいる方々が今すぐに慌てる問題でもないのかもしれません。
あえて、慌てて除去する必要もないのですが、以下のような理由でアスベストが飛散することもあり、健康被害を受ける危険があるので注意は必要です。
- 経年劣化し、アスベストが露出してしまう……
- 高圧洗浄したら飛散してしまった……
- 自身でリフォームして、建材を切断した……
- 解体工事をして、アスベストが飛散した……
そして、何よりも不安なのは、地震が起きて、家屋が倒壊してしまうことであったり、倒壊した家屋の解体作業を安易な姿勢で行うことです。
能登半島地震での公費解体工事では……
能登半島地震で被災した家屋を取り壊しする公費解体工事が行われているのですが、発がん性があるアスベストの飛散防止対策が不十分である業者が行っているケースが問題視されています。
解体現場ではアスベストが家屋に含まれているか否かの事前調査であったり、アスベスト含まれている場合はマスクをしたり、水をまくなどの飛散防止を徹底して行うことが法律で義務付けられています。
しかし、このような緊急事態において、ルールを厳守できない解体業者は決して少数ではありません。いえ、緊急事態だけではないのかもしれません。
どうしてこのような事態が起きているのかといえば、いまだ、アスベスト対策についてルールを知らない業者が存在しているからです。
たとえば、未だ、どのようなマスクが使えばいいかを知らない業者がいるといいます。
実際に知っていたとしても、マスクは安いものでも6000円程度の価格で、1500円程のフィルターを週1回の回数で交換する必要があります。この金銭的問題も守られていない原因であると指摘する専門家もいます。
阪神淡路大震災におけるアスベスト飛散問題
阪神・淡路大震災からもかなり年数が経過し、被災地で飛散してしまったアスベストによる健康被害が再度懸念されています。
阪神、淡路において、家屋が倒壊したり、ずさんな解体工事を行ったことで大量のアスベストが飛散しました。
ある調査では、神戸市東灘区の解体現場あたりで大気1リットルあたりおおよそ250本のアスベスト繊維(住宅地の全国平均値は0.15本)が確認されています。
不安要素は、今後、続々被害者が増える可能性があることです。
そして、現在、解体作業者であったり、住民に健康管理手帳を配る登録制度が必要ということが対策として訴えられている状況です。
現在まで、阪神・淡路の復旧作業などに関与した5人の方々がアスベスト関連疾患で労災や公務災害に認定されています。
14年に、悪性胸膜中皮腫で死亡した警察官の方は、神戸市長田区で1カ月程度警戒・救護に従事し、労災認定されています。極めて短い期間の吸引であったのにも関わらず発症してしまったことは、危険性の高さを顕著に物語っています。
自身の命は自身で守るしかない?
解体工事でアスベスト対策をすることは、暑くて息苦しいこともあるかもしれないですが、自身の命は、自身で守っていかなければならないのです。
能登町で木造住宅の公費解体に関わる業者は、アスベストの吸い込みを防ぐマスクであったり、目を守るフェースガードを装着し、粉じんが舞うのを防止するために水を撒きら、重機で住宅の基礎部分を壊していました。このような慎重な向き合い方が、解体工事には必要なのです。
しかし、ある業者の場合は、アスベストの脅威を未だそれ程理解せず、軽視したままです。それは、緊急事態だから仕方ないということでもなく、日常茶飯事存在しているアスベストに対しての認識不足であるのかもしれません。
アスベスト調査と対策は義務なのですが、目に見えないものであるからどうしても軽視されがちになってしまうのかもしれません。
近い将来、南海トラフ巨大地震などが起こり、もっと多くのアスベストを使用した建物が倒壊したり、解体工事で大量に飛散する恐怖を想定することができます。
法律に遵守したアスベスト除去を進行する一方で、行政や市民による防じんマスクの備蓄であったり、被災地での着用励行あたりも求められていることです。
もちろん、震災時だけでなく、平時の飛散防止意識も大事なことです。
国土交通省では、アスベストを使用した建物の解体ピークはおおかた28年ごろとみています。そのときまでには少なくとも、適切な解体を義務づける法整備なども急がれるところです。
まとめ
大地震が起こって、その場で命を失う方々も少なくはありません。
住む場所をなくしてしまう方々も大勢います。
家屋の倒壊だけでなく、津波も大きな心配要素です。
その中でアスベストの問題はどうしても二の次になってしまうのではないでしょうか。
そのようなこともあるため、アスベスト対策とは、いま、真剣に向き合う必要があるのではないでしょうか。
アスベストも、地震被害の最大なる恐怖なのです。
震災が誘引したアスベストの被害は長い潜伏期間を経て、これから顕在化することです。現在、私たちが見ているのは、アスベスト被害の、まだまだごく一部なのかもしれません……。
解体アスベスト相談窓口は、アスベスト問題、解体工事におけるいろいろな課題を気軽に相談することができる問い合わせフォームです。
解体アスベスト相談窓口に相談することで、「アスベスト」に対しても適切な対応をとることができ、不安を解消することができます。
ぜひ一度気軽にご訪問ください。