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アスベスト被害は、国から給付金が支払いされる?
アスベスト
空き家
アスベスト(石綿)によっておこる健康被害とは、飛散したアスベストを吸い込んでしまうことによって、石綿肺であったり、中皮腫、さらに、肺がんなどを発病することです。
アスベストにばく露してから、健康の被害が判明するまでの潜伏期間はとても長く、たとえば、肺がんの場合、多くは15~40年、中皮腫の場合、20~50年あたり経ってから発症すると言われています。
目次
アスベスト被害は、国から給付金が支払いされる?
アスベスト含有建材などを日ごろ扱っている建設現場などの労働者の方々であったり、アスベストに直接ばく露する製造工場はもちろんのことですが、それだけでなく作業着を洗濯する際、家族の方々が吸い込んでしまったり、工場などからの飛散したアスベストを近隣住人の方々が吸い込んだりする低濃度のばく露でも、がんを発症した例があります。
このようにアスベスト(石綿)による健康被害を受けた場合には、国から、給付金もしくは賠償金を受け取ることができることをご存じでしょうか。
金額のことも気になる問題です。
国からいくら支払いがされる?
国から支払われる給付金額、賠償金額は、アスベストによる病気の種類であったり、進行具合、また、被害を受けた方がご存命か、亡くなってしまっているか……などにより違ってきます。
また、建設現場で仕事をしていたのか、工場で仕事をしていたのかによっても、違いがあります。
実際問題、そのような給付金があるのですが、いざ、請求しようと思えば、個人で対応するのはハードルが高いと感じてしまうかもしれません。
わからなければ、専門家にまずは相談する姿勢が必要です。
建設労働者に支払いされる額
建設労働者の方々の場合、おおかた、アスベストに起因する病態に応じ、550万円から1,300万円の給付金を受け取ることができます。
もしも死亡してしまった場合には、石綿肺(管理2・3で合併症あり また管理4)や、肺がん、中皮腫、呼吸機能障害を伴ったびまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水による死因であれば、1,300万円の請求が可能です。石綿肺(管理2・3 合併症なし)によるものであれば、1,200万円となります。
*重症度により、管理1、管理2、管理3、管理4などに分類しています。数字が高いほど、石綿肺が進行しています。
死亡 | 1,300万円 石綿肺(管理2・3で合併症あり また管理4)、肺がん、中皮腫、呼吸機能障害を伴ったびまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水による死因 |
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1,200万円 石綿肺(管理2・3合併症なし)による死因 | |
肺がん | 1,150万円 |
中皮腫 | 1,150万円 |
著しい呼吸機能障害を伴った びまん性胸膜肥厚 | 1,150万円 |
良性石綿胸水 | 1,150万円 |
石綿肺 じん肺管理区分の管理4 | 1,150万円 |
石綿肺 じん肺管理区分の管理3 | 950万円 (合併症あり) |
800万円 (合併症なし) | |
石綿肺 じん肺管理区分の管理2 | 700万円 (合併症あり) |
550万円 (合併症なし) |
*喫煙歴であったり、石綿ばく露作業従事期間を満たしていない場合、減額となる可能性があります。
工場労働者型の場合
工場労働者の方々の場合、国との和解によって、病状に応じ、550万円から1,300万円の賠償金を受け取ることができます。
死亡している場合には、 1,300万円。石綿肺(管理2・3で合併症あり また管理4)、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚による場合は、1,200万円の額です。
死亡 | 1,300万円 石綿肺(管理2・3で合併症あり また管理4)、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚による死因 |
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1,200万円 石綿肺(管理2・3合併症なし)による死因 | |
石綿肺(じん肺管理区分の管理4)、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚 | 1,150万円 |
石綿肺 じん肺管理区分の管理3 | 950万円 (合併症あり) |
800万円 (合併症なし) | |
石綿肺 じん肺管理区分の管理2 | 700万円 (合併症あり) |
550万円 (合併症なし) |
既に労災保険を受給されている方々であったり、会社が倒産してしまっているケースなども、提訴できる期限内であれば国や企業に対して賠償請求は行うことができます。
便利に使用されていたアスベストだけど……
現在は、新しいアスベスト商品の製造や、使用は原則禁止されています。
ただし、アスベストというものは、繊維がとても細いにもかかわらず、丈夫で、熱や摩擦などにタフで、変化しにくいという特徴があります。
その特性が活かされ、保温材や、断熱材など建材であったり、防音材などに積極的に使われていたので、アスベストを含む建材を扱っていた建設労働者の方々はもちろん、それら商品を作っている工場で仕事をしていた方々もばく露し、それは、当時から数十年経った今、健康被害者が急増している状況です。
空き家のアスベストはそのまま放置していても大丈夫?
ここにきて、アスベストの問題が露呈しているのですが、空き家を所有している方々にとって、決して無関係な問題ではないため、まずはアスベストの理解を深めることが必要です。
アスベストの知識が不十分であるため、アスベストが飛散し周辺環境に影響を及ぼす可能性もあります。
もしも、近隣住民の方々に被害を与えれば、責任は、基本的に空き家の所有者が負うことになります。これは、民法第717条に規定されている「土地工作物責任」という制度に基づくものです。
アスベストは繊維状の物質であるため、空気中に浮遊し広範囲に飛散しかねません。
空き家は、長期間にわたって手入れがされていないことが多く、家屋が劣化したり老朽化することによって、アスベストを含む素材が破損したり、剥がれたりする危険があります。
結果アスベストが露出し、風や雨などで遠くまで飛散することで、周辺の環境に被害を及ぼしたり、健康に悪影響を及ぼす恐れがあります。
アスベストによる環境の汚染
アスベストによる環境汚染は、主として、土壌や水質に現れます。
飛散したアスベストは、やがて地面に落下したり、水路に流れ込んで、土壌や水質にアスベストが混入していきます。
土壌、水質に混入したアスベストは、次に、植物や動物にも悪い影響を与える危険があります。
土の中に存在するアスベストは、植物の根から吸収されたり、表面に付着したりし、植物が成長することであったり、生理活性に影響を与える危険も指摘されています。
また、水の中に存在するアスベストは、魚や貝などの水生生物に被害を及ぼし、呼吸器や消化器に侵入、付着したりし、生存や繁殖に悪害を与えます。
当然のことですが、環境に対してのアスベストの影響は、いずれ人間社会にも影を落としてしまうことでしょう。
まとめ
空き家を所有している方々も、アスベストがもたらす被害を重要視するべきです。
自分自身の問題だけでなく、家族や近隣の方々にも多大な影響を及ぼす可能性があります。
そのとき、責任を取らなければならないのは所有者自身です。
アスベストが露出していない状態であれば、ほぼ安全だと言われているとしても、強風によって家屋が壊れ、アスベストが露出する可能性だってあります。そのようなことを考えると古い家の不安は消えません。
また、自分で勝手に解体してしまうことにも問題があります。
解体アスベスト相談窓口は、アスベストにおけるいろいろな問題を気軽に相談することができる問い合わせフォームです。
まずは、解体アスベスト相談窓口に相談することで、空き家の正しい対処の方法を知るといいでしょう。
ぜひ一度気軽にご訪問ください。
ただし、手続には時効がありますので、お早めにご相談く