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空き家を相続するときに知っておくべきこと
相続
相続とは、ある人が亡くなったとき、その人の財産が法律によって定められた相続人に移転することを言います。亡くなった被相続人の財産が、生前の所有者から新たな所有者へと法律上移動します。
みなさんは、今後、空き家を財産として相続することがあるかもしれません。
そのようなとき、果たしてどのようなことに注意しなければならないのでしょうか。
目次
空き家の相続問題とは
近年、日本において空き家が社会的に問題視されているのですが、その原因となりうるものが、「相続」であることをご存じでしょうか。
すでに自身のお家を所有している方々にとって、実家を相続したとして、ほとんどのケース、うまく活用が出来ない現状があります。
ただし、空き家は、使用しなくても固定資産税であったり、メンテナンスのための費用がかかります。
相続税や、登録免許税が発生する
誰も住んでいない放置された空き家だとしても、相続すれば相続税が発生してしまうことにも問題です。
被相続人が亡くなる以前に住んでいたお家は、一定の要件を満たすことができれば、小規模宅地等の特例によって、相続税評価額を80%減額できることもあります。しかし、誰も住んでいない空き家は適用されず、相続税の負担は軽くなりません。
また、空き家を相続登記するときには、登録免許税の支払いも発生します。登録免許税は、空き家の固定資産税評価額の0.4%であるため、資産価値によってかなり負担になることもあるでしょう。
固定資産税が発生する
空き家を所有し続けることで、固定資産税の支払い義務が発生することも問題視しなければならないことです。
誰も住んでいない空き家だとしても、固定資産税は、一般の住宅と同じような感じで計算されます。
固定資産税は、毎年毎年支払い続ける必要があり、所有する期間が長くなるほど負担は大きくなってしまいます。
さらに、2023年には「空き家対策特別措置法」の改正案が閣議決定されました。このことによって、空き家の税金は、何倍にも跳ね上がることになります。今後空き家を相続する方々にとって、決して見過ごせない問題です。
管理に手間と費用がかかってしまう
空き家であったとしても、一般的な戸建て住宅と同じような感じで、管理やメンテナンスが必要となるため、相続してしまうことで、手間や費用が大きな負担になることも少なくありません。
空気の入れ替えであったり、通水、庭の草むしりなど基本的な管理を行う必要があり、段々と高齢化すれば大変な作業です。また、遠くの空き家を相続したことで、毎月~10,000円の管理費用をやむなく支払いし委託する方々も多くいます。
また、10年に一度程度外壁屋根塗装を行おうと思っただけでも、100万円相当のリフォーム料金がかかってしまうことになります。
解体工事をするにもお金がかかる
建物の維持管理費をゼロにするために解体工事をしようと思えば、解体業者に依頼する費用がかかります。
空き家を解体しようと思えば、おおかた費用の負担は100万円単位以上になるため、こちらもそうとうな負担額です。
遺産の状況にもよるのですが、空き家を相続してしまうことで、確実にマイナスになってしまう可能性があります。
倒壊してしまう危険がある
管理や、解体が難しい空き家を相続してしまい、そのまま放置していれば、倒壊してしまうことで賠償責任が発生したり、また、不法占拠など犯罪に巻き込まれるリスクが発生します。
空き家が倒壊してしまいご近所に被害を及ぼした場合、何百万という多額の賠償金支払い義務が発生することもあります。
管理が行き届かず明らかに空き家であることがわかる状態であれば、ごみが不法投棄され、もっと最悪の事態を招くでしょう。
空き家の相続とはどのように向き合えばいい?
みなさんに相続が発生した際、遺言書がないのであれば、法定相続人全員で遺産分割協議を行って、被相続人の遺産については、誰が、何を、どれだけ相続するのかを話し合って相続分を決定します。
そのとき当然のことですが、用途が存在しない空き家だとしても、被相続人の遺産に含められてしまうため、法定相続人の誰かが空き家を相続する必要があります。
法定相続人が、相続放棄を選択することで、最初から法定相続人ではなかったという扱いになります。そうなれば遺産分割協議に参加もできなくなり、かつ、空き家を相続する義務もなくなります。
しかし、空き家を相続したくない……という理由から、安易に相続放棄を選択するのはいかがなものでしょうか。
相続放棄とは、被相続人の遺産を相続する権利や義務を一切放棄することを意味します。空き家を相続したくないからという理由だけで相続放棄をしてしまうことで、他のプラスの遺産も相続できなくなる事態になります。
相続放棄をすると空き家や被相続人のマイナスの財産(債務や未払金)だけでなく、プラスの財産(預貯金や他の不動産など)も引き継ぐことができません。
相続放棄しても空き家の管理責任は残る可能性がある
空き家の売却や利用の目途がつかず、管理のためにもかなり負担がかかる場合、相続放棄してしまえば良いと、どうしても思ってしまうのかもしれません。
しかし、相続放棄を選択したとしても、その空き家の管理責任が残る可能性もあるため注意が必要です。
空き家を相続放棄したとしても、次の相続順位の相続人が誰もいないケースであったり、次の相続順位の人が財産を受け継ぐまでの期間、空き家の管理義務は残ります。
空き家を相続する前に確認すべきこと
空き家を相続すれば、いろいろな費用負担が発生するため、税金や手数料、維持管理にいくらかかるのか事前に把握する必要があります。
空き家そのものに資産価値であったり、賃貸需要などがあるか否かも、相続する前にしっかり確認しておくべきでしょう。
資産価値がある空き家であれば、売却できる可能性がありますが、評価額も高くなって、税金の負担も大きくなるので注意しましょう。また、譲渡所得が発生すれば、売却益に対しても税金が発生します。
空き家の相続によって発生する税金を軽減するために、空き家の譲渡所得3,000万円特別控除や、小規模宅地等の特例と言った優遇措置を活用できるかもあらかじめ確認しておきましょう。
まとめ
今回は、空き家を相続するとき注意しなければならない問題について解説しました。
負担のかかる空き家を相続したくないと思えば、相続放棄をすればいいのですが、ただし相続放棄をすれば、プラスの財産も放棄することになるため、しっかり計画性が必要です。
解体アスベスト相談窓口は、空き家についての、いろいろな問題を気軽に相談することができる問い合わせフォームです。もちろん、相続の問題も、グッドアドバイスを提供します。
まずは、一度気軽な気持ちで訪問されてみてはいかがでしょうか。